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平安京のニオイ (歴史文化ライブラリー)

価格:¥ 1,785 (税込)
出版:吉川弘文館
カテゴリ:単行本
ページ:220頁
JAN:9784642056243
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で108150位
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レビュー
平安社会の臭気と香気 Date:2007-05-31
おすすめ度
平安京を各種の「ニオイ」という側面から捉え直そうとする試みである。そのために、一方においては「今昔物語」「枕草子」「源氏物語」などその時代の代表的な著作物が、他方においては諸学者の近年の研究成果が手広く引用される。そして必要に応じては「理科年表」までもが動員される力作である。ここでいう「ニオイ」はより具体的には、糞尿臭、死臭、腐敗臭、生活臭であり、またそれらの対極にあるともいえる抹香、薫香のような文化的な香りでもある。そこに描かれるのは主としては平安時代の環境問題的側面ともいえるもので、貴族といえどもそこから自由ではありえない。このようにあらゆるニオイが論じられているところから貴族社会の薫香趣味は臭気に対応した側面があったのではないかと想像されるがそうは書かれていない。つまりその限りではこの二種のニオイの間には距離がありすぎる。
多くの興味深い事実が盛り込まれていることには疑いがない。臭気の問題は庶民の生活環境に立ち入ったものである。その一方で著者が自ら専門外という文学作品が引用される後半部分がもっとも読み易く感じられる。ただ有益な書でありながら統一性やバランスに欠けると感じさせられるのは本書の成り立ちにもよるだろう。本書の前半は以前に発表された「排泄臭、屍臭」および「今昔物語集におけるにおい」についての論稿を下敷きにしており、後半の「薫香」についての部分が新たに書き下ろされたものであるという。おそらくひとつのテーマを持った書物としてよりは二つ三つの論稿の集積として読まれるべきかも知れない。


めっちゃ分かりやすいですよ Date:2007-02-24
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平安時代、特に藤原道長の時代に焦点を当てています。ひとえにニオイと言っても当時のニオイを表す言葉は「匂」「香」「薫」「臭」などさまざま。著者はわたしたちが普段平安京に対して抱いているイメージとはまた違った側面を掘り起こしてくれます。
挿絵も大きく、文章もわかりやすく、表紙もきれいで、何より学術書という感じがしなくて、非常に取っつきやすかったです。
また、わたしたちになじみ深い「源氏物語」「枕の草子」などを一度読んでいると、より面白く感じられるかもしれません。(わたしは枕は読んだことがないんですが・・・)
大学入試の古典で問われる「炭櫃」「大殿油」など、堅苦しい資料集に載っているような用語もニオイに関連づけてイメージとして覚えられると思います。
背景知識がいらないので、古典に触れる高校生も大学生も、平安時代なんか忘れちゃった、という社会人の方にも是非オススメです。
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