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跋扈する怨霊―祟りと鎮魂の日本史 (歴史文化ライブラリー)

価格:¥ 1,785 (税込)
出版:吉川弘文館
カテゴリ:単行本
ページ:199頁
JAN:9784642056373
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で307079位
おすすめ度:

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レビュー
跋扈する怨霊 Date:2007-09-23
おすすめ度
オカルト好きな方にはお勧めしない。
なぜなら、
怪異や驚異はどの社会にいつの時代にも存在し、
本著は、それらを歴史的視点で捉え、
日本の精神世界を読み解く一助としているからである。

著者曰く、祟りや鎮魂は歴史の本流ではないが、
時代々々には雰囲気があり、祟りと鎮魂がそれら雰囲気を醸造したとすれば
歴史の本流となろうが、
残念ながら現在の史学研究はそこまで言及していない。

よってオカルトを期待した人は専門的に感じる一方、
歴史として読めば、流れを概説したものではないので、
これまた、とまどう一冊である。

歴史学を希望し、
宗教を研究対象としようとする人の入門書としては
実証的なので◎。



怨霊に真っ向から対峙した一冊 Date:2007-07-24
おすすめ度
 オカルトじみたそのタイトルに反して、とても真っ当な本。

 古くは梅原猛『隠された十字架』から井沢元彦『逆説の日本史』シリーズまで、「怨霊」を切り口として新たな日本史像を提示する本はいろいろとあった。

 だが、それらはあくまで歴史読み物的な扱いであり、日本史研究の本流では「怨霊」はキワモノ扱いされてきたといってよい(菅原道真=天神信仰についての研究が数少ない例外)。井沢氏が繰り返し批判する「日本史研究者の宗教的側面の軽視」は決して言いがかりとはいえない。本書の著者は、「怨霊」を正面から研究する数少ない日本史研究者のひとりなのだろう。

 食い足りない面もある。霊魂観の変遷を描く、というメインテーマはあるにしても、怨霊の創出と鎮魂の羅列に過ぎないという批判はありえよう。よって井沢氏らの奔放な想像力が生み出す大胆な仮説とも縁遠い。だが、本書のような実証的な研究もまた貴重であろう。

 怨霊信仰をテーマとし、オカルトに堕することなく論じてみせた一般向けの本は、実は今まであまりなかったのではないか。

 点はやや甘いが、怨霊研究のパイオニアとしての評価をこめて。
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