土間の四十八滝 (ハルキ文庫)

価格:¥ 462 (税込)
出版:角川春樹事務所
カテゴリ:文庫
ページ:143頁
JAN:9784758431057
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エディターレビュー
   芥川賞作家・町田康の表現の原点は、やはり「詩」にあるのではないだろうか。「町田町蔵」の名で音楽活動していたころから、その独特の言語表現やリズムはファンを圧倒し、魅了し続けてきたし、初の著作『供花』は詩集であった。「現代詩手帖」の連載をまとめた本作では、数々の詩を通じて「俺的世界」が展開される。
土間のブチャラン
政治のブチャラン
滝滝滝滝滝滝滝滝

土間にたどり着いて水を吹いている
純粋な水は
僕の脳で濾過されて噴出している  

詩の言葉は権力という漫才の太夫の言葉?
それとも才蔵の言葉?(「土間のブチャラン」)


   妄想ともつかぬ独特の内的世界が、町田康独特のリズムや文体、語彙で表現されることにより、生き生きとした形を与えられ、まさに「噴出」しているのだ。

   一般的な書き言葉から現代口語やくだけたしゃべり言葉、擬態語や擬音語、文語や漢文的表現までをさまざまに織り交ぜた語彙が、落語調、パンクロック調、民謡調、芝居調と多岐にわたる韻文とも散文ともつかぬ奇妙な文体でまとめあげられている。ある意味「詩」と「詞」の混合体であるこの「町田節」の特徴は、彼の小説についても言われてきたことではあるが、本作品ではストーリーというオブラートに包まれていない分、むき出しの感性がより純粋な形で色濃く表れているといえるのではないだろうか。

   好き嫌いは別れるところだろうが、繰り返し読み、その独特さが心地よく感じられるようになると、もうはまったも同然。「町田節」に病みつきになってしまうだろう。(盛岡真美子)

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