拉致―左右の垣根を超えた闘いへ
価格:¥ 1,050 (税込)
出版:かもがわ出版
カテゴリ:単行本
ページ:111頁
JAN:9784780302745
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で90309位
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レビュー
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今後の著者に、ただただ期待するのみ Date:2009-09-11 おすすめ度 ![]() 今現在においての北朝鮮と拉致に関する問題に、 とても冷静で正しく切り込んでるなと、純粋に思えました。 現在の北に対する脅威と制裁の一辺倒に苦言を呈する本でしょうか。 ただ、この著者に対する「貴方のとこは家族が戻って来たから言えるんでしょう」という、 周りからの声もまた事実だし、それも理解ができます。 個人的には、家族はやはり感情的になって当然だし、一定の同情をしてしまいます。 2002年の5人帰国も、当初は一時帰国が条件だったわけで、 それを家族会を中心とする強い要望で北との約束を一方的に放棄し、 それが原因で以後こじれました。結果、5人に関してのみ完全帰国を遂げました。 あの時にまだ家族会の上層にいた当時の著者なら、 家族を北に帰すなんて事に賛同できたはずがないでしょう。 それは、今でもまだ家族が帰って来ない人の切実な想いと同等では。 結局は、立場が変わっただけで後出しのように理想論を書けるという感覚は拭えません。 今後は是非ともブレずに、正しい主張をし続けていって欲しいです。 一方で、拉致の裏で暗躍する様々な団体への危惧はとても秀逸だと思います。 著者の持つような真意を汲み取って、マスコミ等が本気で変わる事を願わずにいられません。 |
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拉致問題と解決法を一から見つめなおす Date:2009-09-10 おすすめ度 ![]() 本書は、家族会の事務局長をかつて務めた著者が、行き詰まった拉致被害者帰国の打開策と家族会の内情を、自らの言動の反省を踏まえつつ吐露した、告白するには非常に勇気のいる内容となっている。「左右の垣根を超えた闘いへ」という副題通り、拉致問題解決の方法や家族会が、特定のイデオロギーを主導する者に染められてしまっている現状を乗り越えるべき課題とし、もう一度政府や国民全体で議論を呼び起こし、被害者救出への道を模索している。 かつてマスコミをにぎわした拉致問題もいまやほとんど耳にしなくなった。打開策がたやすく見つからないのと同時に、家族会の意見に沿わない報道をするならば、激しく攻撃されるからだ。結局家族会の意向をうかがってばかりいると、世論には北朝鮮に対して「経済制裁」、さらに「北朝鮮打倒」という、拉致被害者救出という目的とはかけ離れた主張までまかり通ってしまうことになる。それではますます解決につながらないと、著者は「行動を伴う対話」を積極的に重視する。 著者のように拉致被害者の帰国を果たせた家族とまだ果てせていない家族、その違いがもたらす微妙な温度差を記すあたりは、かなりの苦悩がみてとれる。また、めぐみさんのものと言われた遺骨のDNA判定をめぐる不可解ないきさつは、もっと世に知られるべきであろう。 本書は、もはや聞き慣れた「拉致問題の解決なくして、国交正常化なし」という言葉の内情や、そもそも「何を持って拉致問題の解決と言えるのか」という原点から立ち返るきっかけを与えてくれる。もう一度一連の出来事を振り返り、「家族会」「政治家」「マスコミ」「国民」は、これからどう難問に対応するべきなのかを見つめなおす機会が来たのではないだろうか。著者の貴重な発言によって、少しでも風穴が広がっていくことを期待する。 |
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拉致問題の現在。 Date:2009-08-08 おすすめ度 ![]() 蓮池透氏。いわずと知れた1978年に北朝鮮に拉致された蓮池薫氏の実兄。 2002年9月17日、小泉首相が訪朝し締結された日朝平壌宣言により、 北朝鮮が日本人拉致を認めたことを切欠に急展開した拉致問題が、日本、北朝鮮、 あるいは関係国やどのように揺り動かされ、そして現在、どのような諸国の 思惑により交渉が膠着しているか。 拉致被害者の家族として、そして家族会を事務局長も務められた立場から冷静な 視点で見つめ直し、北朝鮮の態度を頑なにさせた日本政府の失態を踏まえ、 北朝鮮との交渉へ向けどのようなステップへ進めるか、そして日本国内での拉致 問題の議論や運動をどのように動かして解決への道筋をつけるか、という流れで 章立てされています。 取り扱う問題の性質上、推論に基づき議論を重ねている面が多々見られますが、 それでも本書は蓮池氏にしか語れなかった内容として仕上がっており、最近は 話題に上ることも少ない状況となってきた拉致問題の現状を知るための良書であると 思います。 |
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いまこそ蓮池透さんの勇気ある発言に耳を傾けるべき Date:2009-07-20 おすすめ度 ![]() 本書は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致され02年に帰国した蓮池薫さんの兄透さんが、日本政府やマスコミ、知識人が拉致問題を政治利用して北朝鮮への憎悪や恐怖、敵愾心を植え付けて強硬一辺倒の世論を作り出してきたことを強く批判し、制裁のような圧力ではなくて対話こそが現在の閉塞状態を打開して日朝問題を解決するために必要であることを強く訴える。 自らが拉致被害者家族として多大な苦悩を経験し、拉致被害者家族連絡会(家族会)の事務局長を務めた透さんは、初めは北朝鮮強硬派の先鋒であったが、自分たちが極右政治家や「救う会」によって洗脳され利用されていることにしだいに気づき始める。そして「家族会」や「救う会」の活動やマスコミ報道が拉致被害者救出という本来の目的から変質してしまい、国民に偏狭なナショナリズムを植え付けたり、甚だしくは「拉致ビジネス」という金儲けの手段になってしまっていることを鋭く見抜き痛烈に批判する。 わたしは、自ら逆境に立たされながらも世論や感情に流されず理性的な透さんの勇気ある発言を強く支持し拍手を送りたい。 透さんは近年全国各地で講演を行ない多忙を極めている。本書を上梓した後の講演はさらに理性的、建設的なものである。 『わたしが裏切り者と呼ばれている蓮池透です』 で始まった今年の7月10日の日朝協会主催による講演会は「植民地支配の反省に立った展開を」という題名で、在日朝鮮人の人権問題にまで言及した実に驚くべきものであった。 http://www.shibano-jijiken.com/NIHON%20O%20MIRU%20JIJITOKUSHU%2018.html わたしたちは拉致問題で北朝鮮を非難する前に、拉致という不幸な事件が起こってしまった原因、背景について深く考察すべきではないか。そして敵対関係からは何ら建設的なものは得られず問題は解決しないことを学ぶべきである。『近くて遠い国』を『近くて親しい国』にすることこそ拉致、核、ミサイル問題の唯一かつ最善の解決策である。 |
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拉致問題解決に何が必要なのか―著者だからこその説得力☆ Date:2009-06-27 おすすめ度 ![]() 本書は、「北朝鮮による拉致被害者家族会」事務局長をつとめ 現在も拉致被害者救出に向けた活動を行う著者が 拉致問題解決にむけた提言を行うものです。 本書ではまず、家族会の中心的メンバーだった著者が 「家族を救出したい」という家族会の主張が、 北朝鮮を打倒したい人たちに利用されているのでは―と考えるに至り、 やがて家族会と距離を置くようになった経緯が述べられます そのうえで、非難されるべきは北朝鮮 ―という姿勢を貫きつつも 日本政府や家族会、救う会これまでの対応に 本当に問題はなかったのか―を検討し 被害者救出に向けた運動はどうあるべきかを論じます。 個人的に興味深かったのは 小泉元首相が拉致問題に積極的でなくなった原因として 被害者の家族が北朝鮮から帰国したときの家族会らの対応 ―をあげている箇所。 これが本当なのかはわかりませんが そう考えてもやむ得ない対応があったこと そしてなによりも、 それ以降、救出に向けた動きが進展していないことへの焦りや失望 がヒシヒシと伝わります。 また、5人が先に帰国したことが 彼らやその家族を微妙な立場に置くことになった― という記述は、本当にやりきれない気持ちになりました。 政府や読者に対し、 政治的・思想的立場を超えた 思考停止に陥ることのない運動・努力をうながす本書。 拉致被害者の家族であり、 現在も、被害者の救出に向けて活動を続けている著者だけに その言葉は重く、説得力に満ちています。 拉致問題に強い関心をお持ちの方はもちろん 一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です。 |

