グレン・グールドの生涯
出版:青土社
カテゴリ:単行本
ページ:625頁
JAN:9784791759538
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で250984位
おすすめ度:

[ Amazonの詳細ページへ ]
この書籍を買った人はこんな書籍も買っています
レビュー
|
The Best Bio on Glenn Gould, Yet... Date:2008-09-15 おすすめ度 ![]() Among a number of biographies on Glenn Gould, I found this book to be the best; however, I must say that there are several parts translated into Japanese unnaturally or clumsily. It seems to me the translator does not have an enough US/Canadian background. Overall, I enjoyed it very much though. In the last chapter, I almost cried as he was passing away. It is a must-read for all Glenn Gould fans. |
|
作られた偶像ではないグールド Date:2006-01-05 おすすめ度 ![]() フリードリックは、グールドの遺言執行人J.S.ポウズンからグールドの伝記を書くよう依頼された。彼はグールドの遺産を管理する「グレン・グールド・エステイト」からカナダ国立図書館が所蔵するグールドの遺品「ザ・グレン・グールド・コレクション」を取材する権利を得た。その遺品には、投函されなかった手紙や日付のないノート(思いつきや計画、インタヴューの草稿、持ち株リスト、病気の症状、体温、気温などが記されたもの)も含まれていた。さらに「エステイト」は、著者にグールドの友人や親族のうち、彼がインタヴューしたい人にそれをできるよう便宜をはかり、それらはすべて実現した。 この本には、グールドの生年月日は書かれていない。この著書は、伝記というより、膨大な取材をまとめたドキュメント集成に近い。そして、特別な理論や分析論によるグールド論ではない。著者は優れたジャーナリストであり、この本を書いた姿勢は「現実にそうであったように」書くことであった。彼はグールドの信奉者であったが無批判な人ではない。たとえばグールドが23才の時に録音したベートーヴェン後期ソナタを「失策」、モーツァルト・ピアノソナタ全集よりも、晩年に録音したハイドンの方が「はるかに素晴らしい」という。 グールドは自らを「最後の清教徒」と呼んでいた。彼はカルヴィン主義の道徳を賞賛し快楽主義を嫌悪した。彼は変人ではなく潔癖であった。また「芸術の競い合いの諸形態」として演奏会を嫌悪した。彼は競争を嫌悪していた。グールドは「西洋音楽が専門化」したことを嫌う。それはハイドンやモーツァルトという職業作曲家の出現を指し、それを「今日の巨大で競争の激しい音楽市場へと向かう坂道」であるとする。彼はテクノロジーの革命が、聴き手を積極的参加へと復権させると信じた。 この本は人間グールドを知るための信頼できる著書である。 |
|
分厚さに当惑したが、読み出すと止まらなくなった。 Date:2004-01-23 おすすめ度 ![]() 600ページを越すこの本の分量に当初は当惑したが、読み出すと止まらなくなった。グレングールドの存在は20世紀の文化で起こった極めて特異な出来事である。読み終えてこの特異な出来事を単に奇抜な行動となぜか心に響く奇抜な演奏に終わらせない為にはこれだけの分量が必要であったことが始めて理解できた。 グールドのピアノはどうして対旋律があれほど生き生きしと響くのか。どうしてベートーベンやモーツァルトを奇抜なスタイルで演奏するのか。なぜ北の国の作曲家を多く取り上げるのか。ステージ活動を止めた理由はなにか。・・・こういった疑問を解消する手がかりが、この本には溢れている。 それにしても著者の情報を集め整理する辛抱強い仕事には本当に頭が下がる。そして分量が多いだけでなく、グールドを語る距離も誉め過ぎず、冷たくなり過ぎずで非常にバランスが良い。グールドの残した録音に関しても、時には手厳しく、純粋な音楽評論としても楽しめる。 このような、量、質、バランスがとれた著作は日本ではほとんどお目にかかることが出来ない。原書が世に出て10年以上経ってからだが、翻訳本が出されたことに感謝している。 |
|
グールド没後20年の名著 Date:2002-04-23 おすすめ度 ![]() この本はグールド没後10年の年に一度出版され、没後20年にあたる2002年に出版社を変えて(バージョンアップされて)よみがえった。 この本の訳者であり、グールド研究の第一人者である宮沢淳一氏によって、訳註の追加や巻末の素晴らしい資料、ディスコグラフィなどは最新のものに書き改められ、没後20年を飾るのにふさわしい重厚な一冊となった。 この本の中に生きているグールドは、自身の体調に悩み苦しみまた楽しみ、独特な方法でおりあいをつけながら、ピアノのみならず音楽、映像、思想など幅広く独自の路線で当時の人々を圧倒し魅了していく。読み手までが、グールドに会って追体験している錯覚すら覚える。 グールドが「死後の人生までが忙しく、人気がある」秘密の一つに、数多く残ってる映像と録音があげられる。が、この本には「グールドの人間性」と彼を愛した人々の人間としての品格に触れる事柄が多々織り込まれている。グールドの深い部分での魅力はそのあたりにもあるのかもしれない、と思わせるちょっと目からウロコの名著である。 |

