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ジョン・ボールの夢 (ウィリアム・モリス・コレクション)

原著 William Morris , 翻訳 横山 千晶
価格:¥ 1,890 (税込)
出版:晶文社
カテゴリ:単行本
ページ:218頁
JAN:9784794916945
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で603470位
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レビュー
今も響くメッセージ Date:2003-09-29
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モリスは、デザイナーであると共に、社会主義者としても積極的な活動をしていました。この作品も、元々は社会主義系の機関紙に連載されたものであるため、彼の思想が、他の作品よりもよりストレートに感じられる内容になっています。

社会主義というと、それだけで引いてしまう人が多い(わたしもそう)でしょうが、ごくわずかな先進国による富の独占や、自然破壊がより深刻な問題になっている現代、この本のメッセージは、普遍的な意味合いを帯びて心に響きます。また、冒頭から始まる、中世の建築物についての描写からは、デザイナーとしてのモリスの愛着が感じられ、けっして、激しい運動と啓蒙一辺倒の本ではありません。
本編が短いぶん、多めの訳注と解説がついています。まず先に、『ワット・タ!イラーの乱』についての説明を読むと、すんなりと作品世界に入っていけると思います。

モリスのデザインが好きです Date:2001-01-29
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表紙の絵に惹かれて手に取った。ウィリアム・モリスの花模様。草花に「力強い」なんて形容詞は似合わないけれど、モリスのデザインには、どっしりとした安定感と、軽やかさの両方がある。モリスは装飾芸術家であると同時に、ファンタジー作家であり、社会主義の運動家でもある。『ジョン・ボールの夢』は、1381年にイングランドで起こった農民反乱を扱う。19世紀のロンドンに住む主人公が、夢でワット・タイラーの乱ただ中の村に迷い込むという設定で。そこには、鮮やかな色彩に満ちた中世の村が広がっていた。土地と共に生き、飲み、かつ食らい、語らう生命感あふれる人々がいた。たとえ、戦いの前であっても。

それぞれの時代には、それぞれの問題があって、その時代に生きる人間には、解決法はおろか問題そのものも見出せないことがしばしばある。しかし人間は、「自然」を離れては、繰り返す「歴史」を無視しては生きていけないのではないか。モリスのメッセージは、表紙の花模様にも生きているようである。

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