フットボールの犬―欧羅巴1999‐2009
価格:¥ 1,500 (税込)
出版:東邦出版
カテゴリ:単行本
ページ:299頁
JAN:9784809408335
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で37802位
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レビュー
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著者の「写真家・ノンフィクションライター」としての真摯な姿勢がギッシリ Date:2010-01-11 おすすめ度 ![]() ワールドカップやユーロ以外の欧州のサッカーの話なんて…と思って本を読み始めたが、 最初のスコットランドの話からぐいぐい引き込まれた。 戦争、紛争、プロテスタントとカソリックの代理戦争であるダービーなど、 1999〜2009年の生々しい欧州の時代というものが、著者の丹念な取材によって浮かび上がってくる。 その状況は日本にいては、あまりに情報が少ないものだ。 日韓や日朝などと比べても、遥かに長く歴史の重みのある欧州の国や国同士の対戦。 日本のあちこちに昔から土俵があるように、欧州に古くからあるスタジアムとそこでの試合。 宇都宮さんがイエメンの日本代表アジアカップ予選に取材に行くと聞いて、 あんな危険な地域に…と思ったが、この本に出てくる地域の方が遥かに過激であった。 この本を読んでから、欧州サッカーを、よりずっと背景を思い浮かべながら観れるようになった。 それぞれの国の歴史を背負った代表チームの陰影。 時々読み返していこうと考えています。 |
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ぼくたちはどれだけ世界のサッカーのことを知っていのか、と静かに問いかけてくる本 Date:2009-11-01 おすすめ度 ![]() 地中海に浮かぶ島国であるマルタには、3部制の国内リーグを持っていますが、きちんとスタンドがあるのはナショナルスタジアムの他に2ヵ所しかないそうです。ですから、リーグ戦は1会場で2試合行わざるをえません。だからサポータたちは第1試合の時間が80分を過ぎると、どんな状況であっても横断幕の撤収作業を始め、第2試合のサポーターのためのスペースを開けるそうです。《それぞれのサポーターが、毎週顔を合わせているためか、作業は実にスムースだ》と著者は書いていますが、なんとも抱きしめてあげたくなるような風景です。それと同時に、マルタのサッカーと聞いて、どれだけの日本代表チームのサポーターが、06年6月4日に行われたドイツW杯の前哨戦のことをを思い出せるでしょう(恥ずかしながら、ぼくは忘れていました)。W杯の開幕直前には《マルタをはじめ、ルクセンブルグやリヒテンシュタインといったミニ国家の代表チームが、出場国の調整相手としてドイツの地に招かれ、自分たちの役割を精いっぱい果たしていたのである。しかし試合が終われば、彼らのことを顧みる者など誰もいなかっただろう》と著者は書きます。 アイルランドの話も素晴らしい。北アルランドのデリー・シティFCは1972年に「血の日曜日事件」によって活動停止を余儀なくされます。プロテスタントのチームが一斉に対戦拒否をしたためです。しかし、それから11年後、U2のSunday Bloody Sundayが収録されたWarが発売された年に元メンバーたちは、国境を越えたアイルランドリーグへの加盟運動に立ち上がり2年後にクラブは蘇ります。そして89年には新天地でリーグとカップの二冠を達成したというのです。まるでケルトの英雄伝説のようなこのサーガを聞き出したのは、たまたま訪れたスポーツ用品店の店主で、なんと彼はデリー・シティFCのGKでした。もしオープンハートに接することができれば世界はまだ驚きと出会いに満ちている、とも感じました。 |
