ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ
翻訳 井口 耕二
価格:¥ 2,520 (税込)
出版:日経BP社
カテゴリ:単行本
ページ:504頁
JAN:9784822245870
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で65067位
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レビュー
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マスコラボレーションの時代の行方 Date:2009-11-07 おすすめ度 ![]() 「大企業であれ、小企業であれ、社内の能力と小規模なビジネスウェブ・パートナーシップだけでは、もう、成長と革新に対する市場の要求に応えることは不可能になった」。 ネットワークを経由して幅広い世界の人材が対等にコミュニケーションを取り、アイディアを交換し、開発し、生産し、成長し、革新をおこしてゆく。本書は、そのような潮流や事例や背景を詳細に追い、さらにそれが社会や企業にもたらすものについて考察する。 この著者達によると、ウィキノミクスの4大原則は、 ・オープン性 ・ピアリング ・共有 ・グローバルな行動 になる。これは最初から最後まで何度か出てきて強調されている。LinuxやWikipediaなどが既に世界に広く浸透して久しいが、本書は特に企業のビジネスにおいても、このようなマスコラボレーションが有効だと述べているところが特に印象的だ。 もっとも、本書でもマスコラボレーション型の問題点についてはそれとなくいくつか触れてはいるものの、全体的にちょっと美化しすぎ、という気もしないではない。先日、Linuxの開発者のリーナス・トーバルズが8年ぶりに来日した。その際のインタビューの中で彼は、Linuxのような開発手法は生物の進化のプロセスに似ていてゴールが決まっていないものに対しては最も有効だが、あらかじめゴールがあるものについては他の方法の方が適切かもしれないと述べている。つまり、本章は、マスコラボレーションも万能ではなく、それが向いている分野とそうでない分野の色分け、長所と欠点をもう少しはっきり示す余地があると思われる。実際、本書で絶賛されているB787の開発は、確かに新しい試みではあるものの、既に遅れに遅れている。そして、ボーイング社はその理由として、主要パートナーの製品も含めて品質が劣るものがあったことを理由に挙げ、挙句の果てに責任者の副社長は更迭されてしまった。 ということで、本書はマスコラボレーションへの理解のために非常に重要な一冊ではあるけれども、この分野のより適切な評価のためには、世界はもう少し時間が必要なのかもしれない、とも思った。 |
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現状肯定的 Date:2009-08-11 おすすめ度 ![]() オープンソースなどマスコラボレーションによる開発が今後ますます盛んになり、それに乗り遅れた企業は衰退していくっていう話。 たしかに、言ってることはよくわかるし、ここに例示されている企業がマスコラボレーションにより成功してきたのも確かだ。 でも著者の言うことは、現状肯定的な話が多くて、あまり、問題点の指摘とかがない。本当に、いいことばかりなのかなぁ。 |
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クラウドソーシングによるナレッジ活用のパラダイムシフト Date:2009-02-28 おすすめ度 ![]() ウェブ2.0系の本や、「集合知」系の本で書かれているようなことを、企業の生産活動に焦点を当てて統合し、経済活動のパラダイム転換と新時代の到来を確信させた。今世紀初頭で最も重要な本の一つになるのではないか。。 21世紀型のウェブが企業や消費者の知的生産活動に及ぼしている影響を、多くのケースを交えて詳述している。 なんと言ってもウィキと経済学をくっつけた本書のタイトル・ネーミングがナイス!この一言は、本のタイトルを超えて、21世紀のウェブ新時代の生産活動のあり方を物語っていると思う。 「オープン性」「ピアリング」「共有」「グローバルな行動」という4原理をウィキノミクスの特性としているが、おそらくはこの経済原理の本質は、取引コストと競争優位の問題に帰せられると思う。 コースやウィリアムソンは、企業がある生産活動を行う際に、外部の生産者の中で最も安い業者を探してそこに委託するのと、自社内部に生産部門を持ってそこで生産するのと、どちらが特かということを考えた。これに関して本書でも触れている。「取引費用は今も存在するが、市場よりも社内のほうが重荷になることが増えた」。例えば、ボーイングは航空機の製造に当たっては世界各地の重工メーカーに生産委託しているが、以前はボーイングがマスター設計をして、その部品を各下請け(日本では、三菱・富士・川崎の重工3社)が生産するカタチを取っていたが、今は各社が設計に積極的に関与して、部品レベルの設計から全体設計に影響を及ぼすようになった。それは、リナックスのプログラミングと同様の仕組みが物理的商品の生産設計でも起こっているということを意味する。そのための外部への情報開示も重要なファクターとなる。これまで企業各社は企業秘密といって社内情報を外部に漏らすことをためらってきた。しかし、外部に漏らして外部の人間にやってもらったほうが、内部で完結させるよりも効率的かつ高度なものができることが明らかになってきた。これは『「みんなの意見」は案外正しい』(J.スロウィツキー)と同じ現象だろう。 個人的には取引のプレーヤーが増えたことも見逃せない。従来の生産活動は、企業と取引業者によって製品は設計され生産された。現在は、すでにプロシューマー(「producer=生産者」+「consumer=消費者」)という言葉は聞き慣れて久しいが、企業とその取引企業ではない外部の第三者=消費者が生産過程に参加する社会になったということ(それにはその参加コストの低減やインフラが整備されたことが大きい)もウィキノミクス社会の大きな特徴と言えよう。 |
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知識がマスコラボレーションで構成されてゆく Date:2008-12-04 おすすめ度 ![]() コンサルタントの2人が書くマスコラボレーションの世界の紹介 インターネット上の不特定多数が参加して作成する辞典wikiを中心に マスコラボレーションで成り立ってゆく世界の紹介 ベースは、インターネットにより、知の距離が近くなり ボーダーレスに一挙に破壊された時代にどのような活用が あるかどうかについて述べています。 インターネットは、ITの世界で、ITの世界だけの出来事ととらえがちですが 、ITは”知”を扱うことから知を中心に大きな変化が起きていることを 述べています。 ボーイングがバリューチェーンにインターネットの威力を使う事例や 鉱山会社が、鉱山情報を公にすることで社内で発見できなかった 鉱脈を見つけたり、ほぼ1章において、1つづつの事例が紹介されています。 3人寄れば文殊の知恵ではありませんが、コラボレーションの力を 利用してさらに上昇してゆく企業と、従前の特許と社外秘で守った 秘伝の技術で勝負してゆく企業とどちらが生き延びるかなど 考えさせられること多の内容です。 パラダイムシフトを伴うこの考えは、使い方を間違えばインターネットへの 情報の漏洩だけで致命的な失敗になりかねないが、パラダイムシフトに 乗り遅れるとやはり、恐竜として旧大陸に置き去りにされる時代に なったのだなという怖さを感じる内容でした |
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ポイントは鋭いが内容はやや冗長だと思います Date:2008-05-02 おすすめ度 ![]() いわゆるWeb2.0の本質について、いくつかの切り口(目次参照)に基づいて議論を展開しているわけですが、内容についてはやや冗長な感じがしました。 また、訳出に違和感を感じる部分が多々あり、何度も読み直す箇所がありました。 本著で述べられているポイントは大きく以下の4点であり、これについてはその通りだと私も思います。 1.従来の囲い込み戦略を取り続ける企業は、オープン化を進める企業や組織に駆逐されるであろうこと 2.マスコラボレーションにより圧倒的多数の英知を活用することができ、開発の速度や品質が大幅に改善される可能性があること 3.マスコラボレーションはグローバルに実現されなくてはならず、それをうまく協調させる仕組みが重要であること 4.製品・サービスのイノベーションに役立つコンシューマー(プロシューマー)を活用することが重要であること 本書が半分以下のボリュームで価格が1500円程度であったならば、星は4つか5つ付けられたかもしれません。費用対効果の観点から今回は3つとしました。 |


