無限の網―草間弥生自伝
価格:¥ 1,680 (税込)
出版:作品社
カテゴリ:単行本
ページ:249頁
JAN:9784878934650
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で43837位
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レビュー
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圧倒的な・・ Date:2009-07-22 おすすめ度 ![]() 初めて草間弥生を見たのはテレビのドキュメンタリーだった。延々と続く水玉の作品の間を、じっと一点を見据え、自らが作品の一部となってしずしずと歩む草間の姿だった。 尋常ではないものを感じた。病的で少し怖い感じ。 芸術にさして興味があるほうではないが圧倒されるような水玉と草間弥生の名前はこの時にしっかり刻み込まれた。 友人が美術展で偶然に草間を見かけた事がある。印象を聞いたら「とても生きにくそうな方だった」と言っていた。とてもよくわかる。 私の中ではやや暗いイメージが先行していた草間の本だが、思いのほか文章に力があふれている。テンポよくまた面白く読み進めた。 数年前に草間が生まれ育った松本に小旅行したことがあった。空気が澄んで美しい町だった。この土地で草間はどんな気持ちで幼少時代を過ごしたのだろうか。 そんな事を考えながら松本市立美術館を訪れた。野外に広がる草間の作品は思いのほか大きく鮮やかな色合いは可愛いらしささえ感じた。 |
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前衛芸術家 Date:2008-02-04 おすすめ度 ![]() 松本出身の芸術家の自伝。 ことしの福袋にkusamaの水玉T-shirtがはいっていた。 wearableだし、超センスがいい感じ。 この本の内容は彼女の芸術家としての履歴および、 海外でみとめられて日本に凱旋帰国した時の いやなできごと、が書きつづられている。 ずいぶん前のことなのに、まるで現在と変わらない。というのが、 警察官の話(ハプニングをやって、駆けつけてきた警官に 米国式に小銭をにぎらせようとしたら、拒絶された代わりに いやらしいめにあったとか)など、現代につうじる 日本の「普遍性」がちりばめられていて、あぁ〜とため息。 やたら明るくて、楽しい本。本文挿入はないが、写真多数。 |
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死に接することで生き延びてきた魂の記録 Date:2007-06-29 おすすめ度 ![]() 水玉や網目が繰り返し集積増殖するモチーフ。 図と地の境界がなくなった世界。自己消滅。 創る、そして消滅するの繰り返し。 草間彌生の作品が見る者の感覚に圧倒的な強度で訴えるのは、内側からあふれ出る必然性を始源としているからである。 心の病との苦しい闘い。それを芸術に昇華し、自己治癒を図ろうという試み。 離人の囚人となっても創作の囚人となっても、苦しいことに変わりない、”ならば、苦しくてもいい、私は水玉一つで勝負してやる”という心意気。 死に至るまでの苦しくも濃密な時間を芸術に費やすことへの使命感。 ついに、病は死に勝つ。 「病理」とか「自己治療」といった観点からの理解を凌駕した本物の芸術がある。 前衛としての姿勢を貫くことは、いつの時代にも異端の花となる宿命を持つ。 草間は10代の頃から遠い未来を思い、死を見出すために自己革命を行ってきた。 その生きざまそのものが本物のアーティストである所以である。 この本は、ギリギリまで死に接することで、生き延びてきた魂の系譜である。 |
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時代を超えるエネルギー Date:2007-04-12 おすすめ度 ![]() 正直に言うと、私には芸術の事はよく分かりません。 草間氏の作品もまのあたりに見た事はないのですが、そんな私でもこの本はお勧めです。 とにかく驚くのが、草間氏の芸術へのエネルギー。絵を母親に反対されても、食うに困っても、警察沙汰になってもたじろがず、己の道を突き進む勇気。 彼女の生き方は一見ムチャクチャではありますが、今や世界から認められる芸術家となった事実が、彼女の確信は間違っていなかった証明になるのではないでしょうか。 私には彼女の思想は分かりません。が、思想だの道徳だのといった器の小さい事を蹴り飛ばしてしまうようなエネルギーが、彼女の生き様にはあふれています。 普段美術や芸術に興味の無い人にも「一時代を築いた女性の物語」として読んでもらいたいです。 |
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芸術への情熱は今なお燃え続ける Date:2006-01-06 おすすめ度 ![]() 本当は星5つでも良いのですが、万人に薦められるかというと「分からない人には分からないだろうな」と思うので4つにします。 大多数の、無名のまま生涯を送る“水玉が見えてしまう”人たちに比べれば、草間氏は才能と運に恵まれた幸福な人かも知れません。 しかし、もし自分に何らかの才能があったとして、病苦にも世間の偏見にも耐えてここまで自分を貫けるだろうか、と考えると、氏が己の才能を守るため払ったであろう多大な努力に圧倒される思いがします。 『天才と狂気は紙一重』という決まり文句など、草間彌生という現実の前には何と陳腐に聞こえる事か。“狂人”であろうがなかろうが誰だって、偏見と闘うよりは、内心不満を持ちながらも平凡に暮らす方が楽に決まっているのです。 初期の繊細で悲しみや弱さを慰めるような作風も好きですが、最近の刺激的で逞しい作風の数々の作品には、“モダンアート”がこれからの文化に与えうる限りない可能性を感じさせます。 アートに興味があるなしに関わらず、一人でも多くの人に読んで欲しい本です。 |


