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心を研ぐ フロニーモスたち―イノベーションを導く人

価格:¥ 2,520 (税込)
出版:宣伝会議
カテゴリ:単行本
ページ:385頁
JAN:9784883352104
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レビュー
革新的な心を持つ人の必読書 Date:2009-02-22
おすすめ度
20世紀には互いに壁を作ったニュートン・パラダイムを越える新たなパラダイムが出た。
それは近代を越えるポスト・モダンへの動きである。その変化の波は金融危機や
国際紛争を発端となって出てきている。これらの波は、自然のリアルであり、急に出てきたものではない。

筆者は、この波は脅威ではなく第三の革新の機会と捉えている。
また、このパラダイムシフトへ対応するには、思考・認識はパラダイムシフトし、その為に新しいマネジメントや認識論が必要となる。

本書では、その変化(より自然のリアル)を導く、すなわちイノベーションを導く人フロニーモスの思考からイノベーションの科学・思考の科学を、曇りのない、より自然のリアルの視点である3000年前のギリシアの視点で描かれている。

読み進めて行くとともに、いかに今の私達が制約のある科学の視点で思考しているかが、面白いほど分かる。自然は本当に深く複雑である。

また、その第三の革新の波を生み出すイノベーダー・フロニーモスを生み出す社会はどういうものなのかを、いくつもの時代と場所を例にとり、様々な角度から描かれている。

今来ているのパラダイムシフトは、ニュートン・パラダイムと異なりものすごい速さで拡散している。しかし人は、錯覚、悲観、誤解、慢心という面を持つ。この変化を戸惑いや混乱を少しでも減らすためにもリーダーだけでなく、若い人達にも読んで頂きたい。

またビジネス、政治の世界だけでなく、量子論、サイバネティクス、心理学、コグニティブサイエンス、組織論、文化人類学、カオス理論、音楽に関わる方、興味のある方々にも読んで頂きたい一冊。
イノベーターの育成に向けた教育のあるべき姿を歴史を踏まえて提言している Date:2009-02-01
おすすめ度
 金融危機や国際紛争を発端に、さらに原油価格の高騰等が重なることにより「100年に一度」といわれる世界的な不況の嵐が吹き荒れている。誰もが深い井戸に落ちたような閉塞感にかられ、危機的状況に怯えるこの時期、著者は、今こそ日本における第三の革新の機会ととらえ、真の人づくり(イノベーターの育成)の必要性を論じている。
 著者は21世紀におけるイノベーターの育成(フロニーモス教育)を語るにあたり、古代ギリシア(タレス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス)から端を発するフロニーモス教育の系譜を時代背景とともに解説している。また、これまで看過されていた江戸時代から大正時代にかけての教育体系が、実は、西洋に勝るとも劣らないフロニーモス教育であったことを、第三者である欧米人の評価を引用しながら検証している。
 しかし、日本をわずか30年たらずで世界の列強国まで押し上げたこの教育体制は、昭和に入り、高級官僚や軍部による儒教的修身教育のために崩壊し、その結果、破局的な敗戦を迎えてしまった。このようにフロニーモス教育は、優れた教育者の存在のみならず、その時の社会環境(教育への社会の関与の有無)が成否の鍵を握ると著者は強調している。
 現在の教育は、社会へ即戦力となる労働力を供給するため、実体験なしでノウハウのみを教えているような傾向がある。そのため、自分で考える習慣がなくなり、すべて受身で、あるいは自己中心的で直感のみにより行動する人が増えている。それはニートの増加や犯罪の若年化、凶暴化に現れている。著者は、単なる知識の刷り込みではなく、本物に触れ、人との対話によって理解を深めるプロセス、換言すれば心を研ぐ教育こそが、今、最も求められていると言う。何をもって自分の判断基準とするか、それを習得するためには何をすべきかを、再度、考えさせられる一冊である。
時代をイノベートする方々へ Date:2009-01-28
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自然界(形・本能解・逃避感情)→特殊解(形と姿・原因と結果・広がりと空間・倫理と権威と宗教・力と恐れと神聖感情)→一般解(自然科学・知性と理性・比較と計量・効率功利主義・進化論と論理・適者生存感情)→特殊解と一般解の融合(形と姿と意味の理解・環境と構造の融合・倫理と論理の融合・優しさと利他主義・歴史の理解・運命の理解・適者共存感情)。時を越えて各時代にフロニーモスたちは存在した。はっきりとした意識、意図を持って歴史に誠、愛、美を伝える心の澄みきった人たちが…。
3000年に渡る人類の意識・流れの方向を照射する繊細にして重厚な好著。責任を背負っている方々あるいは責任を背負う方々に必読の書。
現状の混迷に対し、より巨視的・根源的な理解を助けてくれる一書 Date:2009-01-27
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著者は元々理学博士であるが、十数年来の日本の混迷や米国の盛衰を前にして、
何事にも疑いの眼を持ち基本に戻って考える“クリティカル・シンキング”を元に、
自身が現状に対する“普段聞いている以上の説明”を求めて「第二の航海」に至った。
(これまでの過程は、前著「デミングの組織論」に詳しい)
本書は、その集大成として、航海により解き明かされた知の軌跡を辿ることができる。

結論から述べれば、文明はそれらの社会的レベル(パラダイム)によって、
その時代時代でイノベーター(革新者)とラガード(落伍者)に隔てられてしまう。
繁栄を続けるには、つまりパラダイム・シフトを起こしイノベーターであり続けるには、
心を研ぐことのできる「フロニーモス」を生み出すことのできる社会でることが重要になる。
この点について、これまでの文明の盛衰や歴史的転換点と、
各時代の革新者の様態を考察しそのあり方を対比させて説明しておりとても興味深い。

古代、ギリシャで興った科学的思考がなぜ廃れ、西洋世界は長い停滞期に入ったのか、
それはキリスト教が知的制約(宗教的価値観に固執した前提)を設け、
それを外れる者を異端とすることによって知的空白が生じたからだという。
現代の日本でも、混迷の中にあって低俗なマスメディアや新興宗教が蔓延っており、
あまつさえ政治や教育に介入しているものさえある。

絶対的な正義や信じれば救われる“魔法の杖”など存在しない以上、
それらに踊らされずに各々が考える力を養っていかなければならない。
その「心を研ぐ」ことの重要性を本書はとてもよく教えてくれる。
現代に生きるすべての日本人に読んで貰いたい一書。
経営者だけでなく若手社会人も読むべき貴重な一冊 Date:2009-01-27
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とても深い内容です。
いま危機といわれている状況がどうしてこうなったのか理解するのに、
そして何より「イノベーション」というものについて、
3千年前のソクラテスたちの考え方から知る必要があるとは思わなかった。
何度も読み返すともっと何かがみえてくる気がする。
深く考えさせられ、今後の生き方についての示唆にも富む、貴重な一冊。
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