うたたね
価格:¥ 3,150 (税込)
出版:リトルモア
カテゴリ:単行本
ページ:64頁
JAN:9784898150528
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で139985位
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レビュー
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少女と彼岸 Date:2010-03-10 おすすめ度 ![]() 第二十五回インフィニティアワードをアート部門で受賞するなど、三十代にして 国内外で高い評価を得ている川内倫子さんの2001年刊行の写真集です。 この翌年にこれら作品群が評価され、木村伊兵衛賞も受賞なさっています。 世界の質感を淡く柔らかく捉えていながら、決して甘くはなく その柔らかさの向こうに生老病死の深みを感じる写真群です。 淡さは薄さではなく強さと怖さを内包しており、世界と生命への 憧憬と畏敬を呼び起こされました。 都市と人間、老人と子供、虫と動物、少女と世界。 日常の都市生活風景が、生まれる前の記憶のような、またはあの世へと旅立つ 彼岸のような空気感をもって写し取られています。 そして少女写真としても優れた作品です。顔も表情も写されていませんが 光差し込む教室で一人机に向い、不乱に何かを書き写す後ろ姿や 風吹く校舎の中庭で髪乱れながら縄跳びをする様子、 自分が産まれて来た世界を確かめるように大空を見上げる少女 これらわずか数カットの中に少女写真の本質を感じました。 川内さんはモノクロのプリント技法を徹底的に研究なさったそうですが その確かな技術や知識が、感度豊かな色彩感覚を具象化していると得心しました。 子供の頃に感じていた世界の質感を呼び起こされると同時に 現代日本の都市を生命の静かなざわめきと共に写し取った優れた作品だと思います。 |
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6X6の魅力 Date:2010-03-02 おすすめ度 ![]() ローライフレックスによる独特の色調、 デジカメではなかなか撮れないやわらかい表現、 常人ではなかなか気付かない視点、写真レイアウトの 妙によるストーリー性 など 見るたびに 感性が刺激されます。 |
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死んでしまうということ Date:2009-05-10 おすすめ度 ![]() こう書かれた帯の存在が、この本を開く僕らに、否が応にも、この本のテーマが『生と死』に関わるものであることを連想させてしまう。本を開く前に写真家の意図を知ってしまった僕らは、並べられた写真の構成を前にして、「あからさまである」、或いは、「乱暴すぎる」ようにすら感じてしまうかもしれない。しかし、この写真集を繰り返し開くことでそうした違和感は次第に薄くなり、純粋に、そこに写し出される『生と死』を感じることができるはずである。率直でナチュラルな描写が映し出す、生命の息吹きを感じられる作品であるように思う。 |
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SYPHER Date:2007-10-23 おすすめ度 ![]() 人生を生きて行くということは、すなわち、うたたねのようなものなのでしょうか。。。。。 この地球という星を旅してみると感じます。諸行無常。 この方の写真からはいつも命の儚さと、それゆえただよう切なさ(刹那さ)を感じます。 産まれて来る時代が違っていたら、きっと巫女にでもなっていたのではないだろうか? そんなふうにも感じます。 凡人には絶対に撮れない(感じられない)世界の隅々に宿るオーラを彼女は確信をもって切り取っているように思う。 今はやりのスピリチュアル?メッセイジ? そんなメディアによる、安っぽい手垢に塗れたものではなく、個人的な表出だと思うから心から感じ入ってしまうのかもしれません。 佐内さんの最初の写真集にも、同じようなものを感じましたが、やはり男と女の違いでしょうか、彼のはもっと観念的で硬い。世界との格闘の軌跡。 川内さんの写真は自由で柔らかく、包み込む光をそのまま写し込み、時に冷徹に突き放しているように見えて実は内包してしまっている、そんな器の大きさも感じます。 ユーミンの歌に『やさしさに包まれたなら』という名曲がありましたが、そんな感じ。 目に映る、すべてのものはメッセージ。 写真家は物書きではないので、言葉にできないものを時に言葉よりもっと深く、雄弁にダイレクトに表現できると信じていますが、もっとも成功した写真集だと思う。 ウォルフガング ティルマンスの静物の写真を見たときに感じたものをもっと豊かに感じさせてくれます。 パリで大規模な展覧会をしていたようですが、ヨーロッパの人たちもびっくりしたでしょうね。 ここにある写真は、観念でも概念でもないのですから。 最高。 |
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通り過ぎる時間 Date:2003-06-02 おすすめ度 ![]() いわゆる写真芸術という概念から遠い作品群なので、以前ぱらぱらと見たときは「!?」という第一印象だった。ピントを合わせようとしていない!露出もいつもオーバー?謎。おそるおそる、傷に張り付いたガーゼを剥ぐように見ていく。表紙から順に。スプーンで掬ったタピオカ/からみあう蝶?/ワイングラスの水/少年とパンチボールとホームの屋根/アパートに降る街灯の光/何事?と、立ち上がるハムスターたち/教会の十字架と赤いブロッケン/亡霊と紙一重のじいさん/蛍群舞のような夜景/海もきらきら/切れてしまいそうなネット/生まれたシャボン玉/餌に群がり口を開ける鯉ども/超怖い二十数個の目玉焼き/星の軌跡のような蛍光灯/飛行機雲と放射状の雲そして山並み/瓦礫に喰らいつくショベルカーの嘴/不明/カメカモメカモメ/窓の中の人魂のようなブラウン管の明かり/提灯/橋脚?/激しく血管の浮く手/その血管のような木の根/飲み込まれながら渦巻く水/泡立つブルー/腕を登る勇者の蟻/網棚と皮手袋のおじさん1/不明/網棚と皮手袋のおじさん2/網棚と皮手袋のおじさん3/不明/クラッカーから飛び出すテープ/イルカとしずく/風にはためくレースカーテン/洗濯機の渦/曇り空にぽっかり空いた穴から青空/ひび割れた地面に穴/蛍光灯の紐/民家の上の稲妻/ガタガタゴーミシン/パンクしたタイヤ/縁側のV字光/蜂のムクロ/信号待ちハレーション・・・ここまでで1/3くらい。きりがない。何度も見てから、心の中でタイトルをつけながら、最後まで、もう一度見た。きれいだし怖い。通り過ぎてゆく時間が、ちょっとずつ伝わる。朝ドラ「こころ」のオープニング写真もそうだが、川内さんの写真は、とっても普通で、逆の意味で???を突きつけられる写真だと思う。 |
