ティモレオン―センチメンタル・ジャーニー
原著 Dan Rhodes
, 翻訳 金原 瑞人
, 翻訳 石田 文子
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ユーズド:¥ 1より »
出版:コンシャスプレス
カテゴリ:単行本
ページ:253頁
JAN:9784901868051
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で522026位
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エディターレビュー
かつては名の売れた作曲家だったゲイの老人コウクロフト。ある事件がきっかけで故国イギリスを離れた彼は、イタリアの田舎町で瞳がきれいな雑種犬のティモレオン・ヴィエッタと仲良く暮らしていた。そこにハンサムで残酷なボスニア人の青年が転がり込んできて、老人と愛犬の穏やかな生活は終わりを告げる。青年に疎まれて見知らぬ街に捨てられたティモレオンは、懐かしの家を目指して走り出すが…。
本書はあらすじから想像されがちな愛と癒しの感動ストーリーではない。グランタ誌の「若手イギリス人作家ベスト20」(2003年)に選ばれた著者が描いたのは、グロテスクな暴力と読み手をにんまりさせる笑いに満ちた、おかしくて怖くてせつない不思議な物語だ。
特にすばらしいのは、小さな物語やエピソードが交錯する後半部分。家路をひた走るティモレオンが目にするさまざまな人々の人生模様には、そのひとつひとつが独立した短編作品と呼べるほどのきらめきがある。また、そうした小さな物語同士に直接のつながりはなく、それでいてどの話も深いところで結びついているように感じられるのもおもしろい。ばらばらに投げ出された生と死のエピソードを束ねているのは、人間という不条理な存在をありのままに見つめるティモレオンの視線。その優しくも冷たくもある眼差しこそ、本書の独特の味わいを生み出す素になっている。(小尾慶一)

