どこかの畑の片すみで―在来作物はやまがたの文化財
編集 山形在来作物研究会
価格:¥ 1,500 (税込)
出版:山形大学出版会
カテゴリ:単行本
ページ:167頁
JAN:9784903966021
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で45791位
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レビュー
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在来作物の宝庫から Date:2007-11-26 おすすめ度 ![]() 山形大学農学部が母体となって2003年秋に発足した山形在来作物研究会。綿密なフィールドワークによって、県内各地に伝わる在来作物(伝統野菜)を紹介している地元新聞に連載中の記事に加筆してまとめた一冊。 京野菜、加賀野菜と並んで、山形には地域性豊かな在来野菜が多いことは、地元以外で知る人は少ないだろう。金沢はまだしも、京野菜は、近年ブランド化が進み、作付け地域が広がって品質にバラつきが見られるようになってしまった。その点、手垢が付いていない山形には純血種の原石がゴロゴロしている。現在確認されているだけで村山地域34種・置賜地域22種・最上地域20種といった山形内陸各地を大きく上回る64種もの在来種が酒田・鶴岡周辺の庄内地域には残っている。この一点を見ても、庄内の食文化は実に多彩。 流通が発達する以前のかつての日本人は、地域性豊かで季節感溢れる旬の食を謳歌していた。スーパーの店頭に一年中並んでいる見栄えの良い野菜や果物が、いかに地球環境に負荷を与えているのか。その野菜の生産者が日々の糧を得るために購入する種子が、遺伝子操作によって決して種を結ばないF1種である限り、種子販売権を独占する多国籍企業にいかに毎年莫大な利権をもたらしているのか。そして都市に暮らす人間がいかに周到に自然の営みと隔てられているのか。 連綿と受け継がれてきた独自の食文化の生き証人とも言える在来作物は、地域の共有財産に他ならない。そういった宝物の多くが、一握りの高齢者によって人知れず受け継がれて来た。私たちはある種の便利さと、うわべの豊かさと引き換えに、かけがえのないアイデンティティーをそうとは知らずに失って来たのだ。今日もまた一つ受け継がれた種が日本のどこかの畑の片隅で消えたのかもしれない。自らの命を繋ぐ食に関して、私たちは余りに無関心に過ぎた。作り手の思いに耳を傾けよ、そして畑に出でよ、都市生活者! |
