ヤンとカワカマス

定価:
マーケットプレイス価格:¥ 1,080 (税込)

出版:未知谷
カテゴリ:単行本
ページ:89頁
JAN:9784915841552
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エディターレビュー
   丘の斜面にある粗末な小屋にひとりで暮らしている、ねこのヤン。そこへある日川魚のカワカマスが訪ねてくる。塩とバターを少し分けてほしいというのだが…。いつもいつも借りるばかりでいっこうに返さないカワカマスと、それが全然気にならないヤンの、自然でとらわれない関係。草原や林、河辺と、ヤンのまわりはいつでも移りゆく季節を敏感に映しだす自然であふれかえっている。黄金に輝く秋の草原に、「いまこの瞬間」をいとおしげにかみしめつつ、ヤンはたたずむ。

   決して物慣れた書き手ではない。ごつごつとした肌触りを残す表現や、筆に流される素人っぽさが面映ゆい部分もある。しかし、長い間かけて大切に醸成し結晶させてきた心象風景を、誠実に言葉にし絵にしているのだという、まがいのなさがみてとれる。五感をとぎすまして生きる者のみが自然から贈られる「至福の一瞬」の描写が、読む者の脳を絶え間なく刺激し、ついには全開にするような感覚を与える。特に作品終半にさしかかるあたりでは、物語の情景がありありと浮かび、色や形だけでなく風や匂いまで感じる。そしてヤンの「よろこび」が体中で感じられてくる。

   作者は当初、この物語をヤンの絵葉書という形で断片的に世に出していたというが、それが挿し絵として使われている。ヤンの絵葉書1枚のおまけつき。(翁 ゆり)

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