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宇宙の柳、たましいの下着

編集 boid
価格:¥ 2,940 (税込)
出版:boid
カテゴリ:単行本(ソフトカバー)
ページ:232頁
JAN:9784990334833
Amazon.co.jp 売上ランキング:本で257348位
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レビュー
達人によるディスクガイドをどう受け取るか Date:2009-02-25
おすすめ度
バンドの音楽性のみならず、その博覧強記でも鳴らすカーネーションのリーダー、直枝政広による
豊穣なロック・ディスクガイド。「達人はどう聴くのか?」、それを生の形で示したboidは偉いと思う。
洋邦のロックの、音楽の豊かさの海を、浮き輪なしに泳ぎ切った人の言葉が満載です。

「明日は何聴こうかな?」

この心境を取り戻したいロックファンは、是非どうぞ。
優れたディスクガイドってなんだ? Date:2007-12-05
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もちろん、集められたレコードやCDのチョイスや、それらの記述に用いられる言葉の選択によって、読者に音楽を聴きたくさせるなら、それは良いガイドブックなはず。
その点においても本書は全然間違いない一冊なのは確かで、部屋でこの本を読んでいたはずが、グレイトフル・デッドのフィル・レッシュについて「ベースと言うよりそれは太い鎌だ」なんて記述にびびって、気付けば中古レコード屋でガサゴソ漁っているなんてこともしばしばだ。
しかしながら、この本を驚異的な魅力にみちたものにしているのは、そうした表面的に見える編集や選択以上に、その向こう側にある著者自身のこれまでの人生における不断の「選択」だ。それはもう趣味がいいとかわるいとかいったことでは決してない。
血肉になるように音楽を食い、身にまとい、その中に住む。そうせざるを得なかったこれまでの「選択」がこの本の中にある音楽たちをこんな風に結びつけている。
「夢を決めた友人たちは大切なレコードをそっくりおれに預けて輝かしい顔で社会へ出ていった。おかげさまでおれのレコード棚には何枚も同じレコードがある。『アビイ・ロード』のLPなんていったい何枚あるだろう。あの日Nが買った『ステレオ!これがビートルズ 第一集』『カーニー』『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』、Kの自慢だった『Dr. Demento's Delights』、Yの姉貴のボブ・ディランのレコード全種すらおれのところに集まってしまった。いいよ、おれが受け持ってやるよ」(本書より)
この本が、そうした贈与なのか簒奪なのか、とにかく澱のように溜まってしまった何かに真っ正面から向き合うことで出来上がっていることがめちゃくちゃ感動する。
「宇宙の柳」よ、「たましいの下着」を聴け Date:2007-12-02
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とりあえず手にすると、ついパラパラとページをめくってみたくなる――そんな本である。
そのうち掲載されたジャケ写にふと目が吸い寄せられ、なんとなくページを繰る手が止まる。
そうして付された文章を読むわけだが、これが滅法おもしろい。
たとえばもしそのへんにゴロッと寝そべっていて読んでいたとしたら、思わず起き直ってしまうだろう。なんというかこちらの居住まいを正すような力がある。注釈までがいちいちおもしろい。
たぶんそれは『宇宙の柳、たましいの下着』が、単なるカタログ本ではなく、「命をかけて、迷走せざるを得ない挑戦的なロック作品を自らがジャッジし接して」きた直枝政広の自伝となっているからだ。
これはカーネーション・ファンのみならず、音楽ファンであればみんな腰を据えてじっくり読みたくなるであろう――そんな本である。

きっと読み終えたときには自らの音楽体験を誰かに話したくなるにちがいない。
ということはつまり『宇宙の柳、たましいの下着』を読むことがすでにまぎれもない音楽体験だということにほかならない。

「宇宙の柳」よ、「たましいの下着」を聴け。
(ディスクガイドではなく)音楽批評本としても優れている一冊 Date:2007-11-30
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「あとがき」にもあるが、直枝政広の音楽的な半自叙伝的作品。彼の好きな(影響を受けた)アーティストやアルバムを自身の思い出とともに綴った密度の濃い一冊。

優れた音楽家が必ずしも優れた音楽批評家であるとは限らないが、直枝政広が優れた音楽批評家であることが窺える。自身がミュージシャンなので皮膚感覚な内容が多いのだが、その感覚を言葉で表現することが非常に巧い。また、技術的な事柄も、それをテクニカルな言葉ではなく、これも感覚的な言葉で表現することが多いのだが、素人にも雰囲気が伝わってくる。

カーネーションファンには必読ともいえる一冊なのは勿論だが、取り上げられたミュージシャンの多くは洋楽ファンにはおなじみの人達なので、優れた音楽批評本として、カーネーションファンでなくとも広く楽しめる一冊になっていると思う。

ところで、この本では、直枝が強く影響を受けたアーティストについてはアルバム単位ではなくアーティスト単位で取り上げられているのだが、何故か、多大な影響を受けていると言われているはずのXTCが取り上げられていない。

そればかりか、XTC以外のミュージシャンのアルバムの批評の中にXTCという単語は登場するのだが、XTC(あるいはアンディ・パートリッジ)のアルバム自体が登場することが少ない。そしてライブ活動停止後の彼らの作品には結構批判的である。確かにこの本を通して読めば何故批判的なのかは理解できるような気もするが、巷間伝えられているようなXTCからの影響はなかったのだろうか・・・と釈然としないまま読み終わった。

ところが「あとがき」に、この本に収められたのは「スムーズに筆が進んだ原稿」と記されていた。個人的な思い込みなのだが、XTCについては筆がスムーズに進まなかったのかもしれない。
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