カーネギー・ホール・ライヴ/フジ子・ヘミング2001
演奏 フジ子・ヘミング
, 作曲 リスト
, 作曲 メンデルスゾーン
, 作曲 ドビュッシー
, 作曲 ショパン
, 作曲 シューベルト
, 作曲 ブラームス
, 演奏 ウィーン・アルティス管弦四重奏団
, 演奏 ニーダハンマー(ヨーゼフ)
定価:¥ 3,045
レーベル:ビクターエンタテインメント
カテゴリ:CD
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トラックリスト
- ピアノ五重奏曲イ長調「鱒」op.114,D.667~第4楽章 テーマとヴァリエーション(シューベルト)
- ハンガリー舞曲第5番嬰ヘ短調(ブラームス)
- 「ベルガマスク組曲」~月の光(ドビュッシー)
- 「子供の領分」~ゴリウォッグのケークウォーク(ドビュッシー)
- 「前奏曲集第1集」~西風の見たもの(ドビュッシー)
- ノクターン第2番変ホ長調op.9-2(ショパン)
- ワルツ第7番嬰ハ短調op.64-2(ショパン)
- エチュード イ短調「木枯らし」op.25-11(ショパン)
- 「3つの演奏会用練習曲」~ため息S.144-3(リスト)
- 愛の夢第3番変イ長調S.541-3(リスト)
- 「伝説」~小鳥に説教するアッシジの聖フランシスS.175-1(リスト)
- 「弦楽四重奏のための4つの小品」~カプリッチョ ホ短調op.81-3(メンデルスゾーン)
- 「パガニーニによる大練習曲」~ラ・カンパネラS.141-3(リスト)
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エディターレビュー
2001年6月7日、フジ子・ヘミングがニューヨークのカーネギー・ホールで行なったアメリカ・デビュー・リサイタルの記録である。とはいっても、ウィーン・アルティス弦楽四重奏団、コントラバスのヨーゼフ・ニーダハンマーと共演した1、2曲目、弦楽四重奏団のみの演奏による12曲目は後日同ホールでセッションを組んで録音したもの。本当のライヴ録音が聴けるのは、それらをのぞく10曲だ。フジ子・ヘミングの武器は、超絶技巧でもなければ磨きぬかれた音色でもない。独特の間の取り方、しなの作り方の妙が、彼女の演奏をほかのピアニストにはないものにしている。このアルバムでそうした特長がもっともはっきり現れているのは、後半に置かれたリストの作品だ。たとえば「愛の夢」での、切れ切れになりそうでならない微妙なフレーズのつなぎ方。この「愛」は、今現在の燃えるような愛ではないのだろう。遠い昔の愛の思い出が、ゆっくりと走馬灯のように現れては消えるといった風情だ。また、十八番の「ラ・カンパネラ」では、もともと遅いテンポを、ここぞというところでまた一段と落としてリスナーの虚を突く。彼女の決め球はスローカーブであって、剛速球や高速スライダーではないのだ。ウィーン・アルティス弦楽四重奏団は、特に彼らだけによるメンデルスゾーンの作品で、実に情緒纏綿(てんめん)とメロディーをうたわせている。知より情の勝った演奏で、フジ子・ヘミングの独奏と並べて聴くのにぴったりだ。(松本泰樹)

