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さらば、わが愛 覇王別姫 [DVD]

原著 リー・ピクワー , 脚本 リー・ピクワー
定価:¥ 2,500
マーケットプレイス価格:¥ 2,023 (税込)

販売元:アスミック
カテゴリ:DVD
JAN:4988126203214
Amazon.co.jp 売上ランキング:DVDで7066位
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エディターレビュー
   中国激動の時代に生きた、京劇俳優の程蝶衣と段小樓。女形の蝶衣は段小樓を愛していたが、彼は娼婦と結婚してしまう…。戦争が、京劇という芸術の世界も侵しつつあった時代を背景に描かれる、ふたりの男たちの愛憎のドラマ。
   前半は、京劇の学校で厳しい訓練に耐える主人公の少年ふたりの友情にスポットをあて、後半は、時代の波に飲まれながらも、愛と演劇を貫く男たちのストーリーがつづられる。段小樓を愛しながらも、その愛を得ることができず、苦悩する程蝶衣を演じるレスリー・チャンの艶やかな美しさが圧倒的な存在感を見せる。段小樓と結ばれる娼婦はコン・リー。監督はチェン・カイコー。カンヌ映画祭パルム・ドール賞受賞作。(斎藤 香)
レビュー
すごい映画だった。 Date:2009-12-27
おすすめ度
京劇という舞台にした、激動の時代の変遷を描いたすごい映画だった。

幼少期の少年役の妖艶さには参った。美しかった。

ある種密閉された空間で商品として育てられる。
日本でも歌舞伎などの伝統芸能の世界は今でもそうなんだろうな。人間文化財させる修行。

ホモセクシャル的な恋愛感情に基づいたコンビが女が介入してくることで歯車が狂い始める。
女も娼館から抜け出すためにしっかりブースターとして利用している。したたかでうまいなあと。

文化大革命による集団洗脳も恐ろしい。
若い時期にぐらぐらと揺すぶられてしまう価値観。
京劇批判も、華やかに目立つ劇団員に対する嫉妬もあったのだろう。

私が深く考えさせられたのが興行として成立させるためには経済的な支援を行うパトロンが必要なわけで、劇団をバックアップするのにはある種の「見返り」が求められるわけだが、主役を演じる美しすぎる人間が体を張って連れてくるものなんだろうなと。

絵画を皆が価値があると思うようになるのは、パトロンが何十億の価格をつけるからこそ。
スターもパトロンが金を注ぎ、前面に押し出すからこそ、皆が憧れるスターになる。
最近はネットの影響で知られてしまうようになったが、日本でも芸能、スポーツの世界の住人が、政財界、その筋の方々と懇意な関係があるというのは、
「うん。まあそういうことなんだろうな」と清濁併せ持って納得出来るようになってしまった。



今では創れない作品 Date:2009-12-20
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北京、返還前の香港、台湾の協力で作られた作品。
で、もって中国近代史の暗部をチョロッと覗くことのできる意欲作。
TVの深夜放送、レンタルビデオ、そしてDVDで観ました。

私が中国近代史の文化大革命について初めて知ったのは有名な映画「ラストエンペラー」でした。
正直、何やってるんだろと???でしたよ。
この「覇王別姫」の文化大革命時での京劇関係者のつるし上げにはショックを受けました。
文化大革命によって過去の文化だけでなく主役3人の関係が破壊されました。
愛、そして憎しみで繋がってた3人が裏切りによって関係が終わってしまうのが象徴的。

この映画を観ると、どこぞかの政治家に軽々しく文化革命なんて言われたくないですな。
妖艶とは何か、この作品をご覧になれば解る! Date:2009-06-11
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映画なるものを観るには、問題意識が必要である。
京劇と歌舞伎はどう異なるのか。
京劇のある時代における実態をまず知りたかった。
時代背景とともに、いかに翻弄され現在はどう位置づけられているのか。
どのように 役者は育てられていたのか、

チェン・カイコー監督の作品。
この作品と出会った。
あっと、おどろくまばゆい世界が待っていた。
『覇王別姫』は京劇の「演目」の一つ。人気がありそう。
それにしても、兄、弟として 幼い時から 徹底的に鍛えられた時代。それは 清が衰退し、日本国が侵略し、さらに国民党政府がしきり、さらに共産党政権下になり、文化大革命に時代になったという長い背景の流れにそって描かれている。
美事な作品である。
レスリー・チャン(張国栄)は 美しかった。艶やかであった。華麗であった。だれもこの人には勝てないと思った。
ありとあらゆる「妖艶」を凝縮させるとこうなるのか。
1993年の作品。当時 レスリー・チャンは36歳か。そして10年後の2003年4月1日、わずか46歳で自殺している。
私は、多くのことを この作品で学んだ。
・妖艶
・歴史に翻弄される京劇
・役者になるためのすざましい訓練

私にとっては 宝物である。
それにしても これから 私は 何回もこの作品を観るだろう。
「妖艶」の極を演じるレスリー・チャンをみるために・・・
レスリー・チャン;人生の集大成 Date:2009-02-08
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『覇王別姫』で共演する段小樓と程蝶衣。蝶衣は小樓を愛するが、小樓にとって虞姫は、
やがて妻となる娼婦の菊仙でしかなかった。そう書くと三角関係の物語のようであるが
現実は激しい裏切り行為が何重にも絡む。中国の理解を超える激動の歴史ゆえである。

この映画が世に出て10年後、妖艶な蝶衣演じるレスリー・チャンは自ら命を絶った。
集大成とも言うべきこの映画に出演しなければ、まだ自ら死を選べなかっただろうし、
この映画に出たからこそ、彼は自ら命を絶つことが出来た。と私には思えてならない。

程蝶衣が自分自身のことを、男か女か解らなくなったように、レスリー・チャン自身は、
死の瞬間もしかして自分が蝶衣自身なのか解らなかったのではないだろうか。果たして
彼は2003年4月1日、香港文華東方酒店から「蝶」のように舞い降りるのである。
男としての生を受けて Date:2008-05-09
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蝶衣(レスリー・チャン)、小樓(チェン・フォンイー)、気仙(コン・リー)の3人を通じて中国近代50年史を描いた作品。3時間を超える大作ではあるが、けっして退屈することはない。むしろこの時間でよくおさまったなと思うくらい濃密な内容に驚かされるくらいだ。日中戦争、人民解放軍北京入場、文化大革命などの歴史上の事件によって翻弄される3人の人生は、まさに外敵に侵攻されるたびに次々とその姿を変えていく<中国という国家形態>を投影しながら、それはまた漢軍によって引き裂かれる項羽と虞美人の物語<覇王別姫>とも2重いや3重写しになっているという練りに練られた脚本をまずほめておきたい。

あの<少林寺>も真っ青の厳しい訓練をつんで京劇スターの座を築いた蝶衣と小樓。女郎出身の気仙と結ばれた小樓に嫉妬する蝶衣の描写が『ブロークバック・マウンテン』のようにキモくならないのは、京劇の女形という芸術的フィルターがかまされいるからに他ならない。中国伝統=京劇の守護者である蝶衣と小樓が現実の壁にぶつかって難破するたびに助け舟を出すリアリストの気仙、というもう一つの構図も実に興味深い。文化革命の嵐がやがて京劇界にも波及し、蝶衣と小樓がかつての弟子の仲間に<自己批判>を強要されるクライマックスは必見。共産主義というイデオロギーの前に、京劇という伝統によって強く結びついていた3人の関係がもろくも崩壊していく様は、まさにジャ・ジャンクーが『長江哀歌』で示そうとしたテーマを凝縮した見事な演出が光っていた。

女としての生を受けなかった男の届かぬ想い。最後は映画らしい終わり方でまとめた本作品はチェン・カイコーのベスト・ムービーであることは間違いない。溝口健二は日本の伝統芸能を映画内に取り込むのがとてもうまい映画監督であったが、それをできる監督が今日本にいったい何人いるのだろうか。歌舞伎役者や狂言師がチャンバラ劇でヒーローを演じたりするのとはわけがちがうのである。
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