最新の学術成果が証すアーク(聖櫃)とモーセ100の謎: モーセの宗教は、その主神エルヨーンがユダ族の、及び律法主義の神ヤハウェに乗っ取られて、大きく変質。帰結として、アークを神秘術の降神装置とするモーセのシャーマニズムは抹殺された。

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鳩山堂
ページ:350頁
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エディターレビュー
◇ 聖書探求シリーズ 1
【3000年の超ミステリー 偽られし聖櫃の謎】
 神との契約の証を納める至聖の、聖櫃/契約の箱ことアークについて、世は3000年に渡りその実体を欺かれ続けてきた――
 理性主義に根差す律法主義ユダヤ教の勃興によってモーセの真実と共に彼のシャーマニズムがいかに消されたか、その真相と経緯を最新の聖書考古学の成果を援用して明らかにし、本来の姿を復元する、そうした皆さんの探求に資する、いわば触媒としての百科書を目差すものです。

【執筆姿勢】
『旧約聖書』は随所に大きな内部矛盾を孕んでおり、その根本的説明はいまだに成し遂げられていない、とされます。
 そこで、最新の学術成果、ことに考古学調査の成果が証す諸々の事実を橋頭堡、足場にして、慎重かつ大胆な推論を重ねて、すべてに筋の通る真実を解き明かし、皆さんの分析、解明に資するよう努めるものです。ことに、クリスチャン学者ではない論点で、かつそれと異なる率直さで。

【概要&特徴】
①.アーク<聖櫃>はなんだったのか? モーセの開発した神を顕現させる神秘術の装置だったのか? 〝危ない〟装置だったため、封印され失われたのか? 解く鍵は、アークを使って乳香の煙の雲を大量に至聖所で発生させ、充満させることにあった。その煙には麻薬成分が含まれていたからだ――

②.「エゼキエル書」冒頭の幻影・神の乗り物は、モーセの装置の黙示的な寓喩描写だったのか? 解く鍵は幻影が至聖所の描写であったことと、煙の雲発生の秘技が寓喩表現で仕込まれていることにある。つまり預言者エゼキエルは、神を顕現させるモーセの秘術を神殿再建時のために伝えようとしていた――

③.出エジプト(エクソダス)の見せ場、エジプト戦車部隊の追撃、紅海の徒渉、海割れの奇蹟は、『聖書』の一編「ヨシュア記」中のヨルダン川堰き止め奇蹟を基に換骨奪胎した架空譚であった。つまり、ファラオの戦勝記念碑が記す紀元前1208年の少し前、メルエンプタハ王率いる戦車部隊がカナン山地を襲い、モーセたちがその追撃を避けて東方へ逃れ、ヨルダン川の深みが部隊の東進を阻むという戦役がモデルであった――

④.考古学調査の成果はモーセ活動期の絶対年代ほかを明らかにした。それらの事実を橋頭堡にして綿密な推論を重ねていくと、意外な真実が導き出されていくことに。モーセはラムセス2世の子か孫で、パレスティナのカナン山地に派遣された藩王だった。『聖書』の一編「民数記」が叙述する人口調査や所領配分などの治績は、モーセのカナン統治記が基になっていた――

⑤.信仰に篤い方々の耳に痛い高可能的な論説についても避けずに論及。
 たとえば、ユダヤ教を始めとする一神教の神ヤハウェは、モーセの開いた宗教の神の座を乗っ取って成り済ましている――

⑥.信仰に篤い方々の耳に痛い情報も漏らさず論及。
 たとえば、神ヤハウェは半牛人を似姿とし、妻神アシェラがいた。紀元前8世紀のクンティレト・アジュルド遺跡から出土したピトス線刻画と文字列の証すところだが、アークの下部はその高さ90cmの神像2体を納める櫃であった。(第5章)、など。

⑦.信仰と相入れないかに見える合理的、科学的探求による高可能的論説についても論及。
 たとえば、現行のモーセ5書、「ヨシュア記」は書き替えられたもので、それ以前のモーセ治世記の復元。及び、イエスがモーセの信仰復興を唱え、神殿至聖所で行なった事績の復元、など。

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【章タイトルと、小見出し項目の要約のリスト】抜粋

口絵:アークの画像5選、及びモーセの画像12選

プロローグ アーク(聖櫃)の素養に乏しい日本人読者のために
 矛盾だらけのアーク
 至宝アークが杳として行方知れず
 疫病神信仰の一形態か
 紀元前7世紀の宗教改革が『聖書』を書き換えた
 『聖書』のアーク像と異なるアーク像が広く出土

第1章 神がその間に顕現するケルビムの謎
 アークの存在意義はその中身ではなく、贖罪所なるその蓋にあり
 神がその間に顕現する2体のケルビム像の不可解
 薫香の煙の雲の中に顕現する主なる神
 急性中毒死の危険を伴うモーセの神秘術
 乳香の幻覚作用が〝神との会見〟をもたらす
 香炉2つと立ち昇る煙の雲が寓喩されて2体のケルビムとなった
 ソロモンの時、新しい金づくしのレプリカが作られた
 地味なモーセ手作りのアーク

第2章 失われたアークの行方
 モーセ手作りのアークの行方
 モーセの正統継承は北王国にあり
 神殿から失われたソロモンのアーク
 預言者エレミヤが隠したのか
 隠匿説の決定版「第2マカベア書」の致命的欠陥
 現代の矛盾だらけアーク発見説
 モーセの神秘術に代わったカバラの秘術

第3章 宗教的な妄想に粉飾されたアークの真相
 超常的なあり様にも疑問符が
 神のパワーはアークからではなく、薫香の煙の雲から発せられた
 アークが放つ業火は空想の産物
 アークがではなく中空の神が人に向けて業火を放つ
 そもそもアークの奇蹟が起こされた町々は当時、存在せず
 アークの超常的属性はすべて寓喩の所産

第4章 エゼキエルの幻影・神の乗り物の謎
 アークのあり得ない重量
 『聖書』の描くアーク像は机上の過剰な妄想的産物
 モーセの神秘術はその危険性と必要性の無さからほぼ途絶することに
 遺跡から出土したアークの浮き彫り画にもケルビム像はない
 翼を持つ「四つの生きものの形」とはケルビムの寓喩でありモーセの神秘術を隠喩する
 4つの生き物とはケルビムの寓喩体4つの香炉のこと
 エゼキエルの幻影メルカバの完全なる解明
 近代以前の絵画にケルビムを欠いて描かれる不可思議
 第2神殿時代のアークの汎用代替品
 香炉を吊すアームがケルビムの高く伸ばす翼に寓喩

第5章 アークの中身は半牛人の姿をした石の神像2体
 中身は十戒の石板だったのか?
 謎解明の鍵は、兄アロンの造った黄金の子牛像にあり
 神の乗り物、依り代たる牛
 十戒の石板は律法の石柱をモデルに作為された架空物
 出土物が証す真実、主なる神ヤハウェに妻神がいた
 主なる神の似姿が半牛人だとする物証
 雌雄の半牛人像がモーセのアークの中身
 ヤハウェとアシェラ夫婦神の像は高さ90㌢。アークにピタリ納まる
 モーセの宗教は夫婦神を軸にする多神教だった
 モーセの時、ヤハウェ信仰がカナンの地に入った
 ヤハウェはイスラエルの神エルヨーンの臣神だった

第6章 紅海が割れた奇蹟による出エジプト(エクソダス)はなかった
 モーセの額には牛の角が2本、生えていた!?
 モーセは雄牛の頭部を模した仮面を被っていた
 ユダヤ教がモーセの宗教を書き換えてしまった
 契約はシナイ山ではなく、カナンのエバル山でのこと
 モーセの事績を大きく歪めた紀元前7世紀の宗教改革
 考古学調査の成果は、40年間の荒野の彷徨を全否定
 モーセの後継者ヨシュアが征服した町、村は考古学的にすべて無かった
 ヨシュアのカナン征服譚はモーセのカナン布教譚の換骨奪胎
 出エジプトとはモーセ布教団がスエズ地峡を越えてカナンに入った事績
 〝ファラオの犬〟モーセを神の導きで自由を求めた救い主に改造した
 モーセが前13世紀後葉にイスラエル共同体を形成した2つの物証

第7章 ラムセス2世が派遣したカナン高地の藩王モーセ
 「民数記」の民数はモーセ自治国の人口調査の所産
 部族長をシケムに集めて契約を結び、そこを共同体の本拠とした
 モーセは祖父ラムセス2世が派遣した辺境の藩王
 モーセの宗教は疫病神信仰
 モーセの信仰の原型はエジプトの悪神セト信仰
 セトとバアルとの習合神信仰がイスラエル神信仰のベース
 「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」はエル神、バアル神、セト神を指す
 南方の荒野ミデアンから招かれたユダヤ教の神ヤハウェ

第8章 ダビデ、ソロモンのユダ族の神ヤハウェに乗っ取られたモーセの神
 モーセを裏切ったヨシュア
 メルエンプタハ王の戦車軍団に追われ、ヨルダン東岸へ落ちたモーセ
 「出エジプト記」の原形はモーセらの〝出カナン記〟だった
 初代の王サウル、ユダ族系のヤハウェ祭司集団を虐殺
 逆襲するダビデを加護する戦いの神ヤハウェ
 モーセの神を解体し、ヤハウェに置き換える宗教改革
 ヤハウェのユダ族に乗っ取られたモーセの共同体イスラエル

エピローグ モーセの神秘術により神の子となったイエス
 神殿の至聖所に入ったイエス
 モーセの神秘術をもって薫香の煙の雲で至聖所を焚き込めた
 降神祭儀を執り行ない、己の血をもって民の贖罪と新契約を求める


【著者略歴】1957年、埼玉県熊谷市生まれ。早稲田大卒。紙の本の著書は『イエス・キリストの謎と正体』『解読された聖書とイエスの謎』『封印されたマリアのキリスト教』ほか多数。
 Kindle本では『古今100余の証言が証すイエス・キリストの正体』、この英訳本『100 Testimonies reveal Jesus' Identities outside the Bible』、『イエス家の嫁マリアと姑マリア』ほか多数。

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