戦後世代からの発言 -真正なる日本人を目指して-: 国文研叢書 No.28

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【本書の刊行に寄せて(一部)】

 この「国文研叢書」といふシリーズは、昭和四十一年(一九一ハ六年)の三月に、夜久正雄さんの『古事記のいのち』をそのNo.1として出してから、今日まで二十年を重ねるあひだ、恩師・先輩・同人たちの諸論考をはじめ、さきの大東亜戦争に殉じられた戦歿同志諸友の遺文遺歌集などを、(巻末の既刊目録の如く)次々に上梓してすでに二十七冊に及ぶに到った。
 さうした折、昨年春の国民文化研究会の理事会の席上、
「この辺で、若い人たちが書いてきた文章も大変な数量になってゐるので、その中から選んで一冊にして世に問うてみてはどうか」
といふ提案が出された。それに対して全理事が心から賛意を表し、かつ、その編集も、若い人たち自身にまかせよう、といふことになった。私たちが“若い人たち(戦後世代)”と平素呼び馴れてゐるこの言葉を、ここで一寸ご説明させていただく。昭和三十一年(一九五一ハ年)に第一回の「学生青年合宿教室」を開催して以来、今日におよぶ三十一年間の毎年夏の、「合宿教室」に参加したその年々の大学生を総称して、さう呼んでゐるのであるが、そのため、第一回に参加した人はすでに五十歳を越え、れっきとした会社の重役さんになってゐる人も“若い人たち”にはひってゐる次第、もうそろそろこの呼び方を整理しなくてはならない時期に来たやうな気もするが、本書の題名の『戦後世代からの発言』の「戦後」の字義とも関連することなので一言させていただいた。・・・

 さて、これら三十九人のうち、幾人かの人たちについては、最近お会ひする機会を持ち得ずにゐるが、それ以外の人たちの動静はよく存じ上げてゐるだけに、その“生きざま”といふか、処世の姿には、平素から敬仰の思ひを禁じ得ずにゐる、といふのが私のいつはらざる告自である。
 それといふのも、三十台、四十台の人たちの日常生活は、勤務状況がきはめてきびしく、夜おそくまで執務してゐるのが常で、自己の職責を果たすだけでも大変なことのやうである。しかも、さうした自己身辺のきびしさにかかはらず、彼らは、なほ祖国の歴史伝統の尊さを深く心に感じ、祖国日本の永遠の発展を念じながら、日本青年の一人としての衿持と責務とを痛感しつつ、その一日一日を送ってゐるからである。
 休日といへば、後輩の大学生たちとの古典の輪読に加はり、地域ごとの大学生たちの小合宿があるときけば、直ちに馳せ参じて同行の生活を営む、その真摯な努力あればこそ、私どもの「合宿教室」は、三十余年の歴史を刻んで将来に向かはうとしてゐるのである。大学生時代に「合宿教室」に参加した機縁を、自己の生き甲斐の中に見事に咀嗜してゐる人たち、と申すほかはない。
 ここに収録された諸文章は、決して練達の文ではなからう。たどたどしく読みにくい所も多々あらうかと思ふ。しかし、書いた人のその時々の心中に深く宿してゐたはずの生き生きとした心の躍動を、それなりにお受けとめいただけるならば、これに越した喜びはない。この一書が、殊に同年代の方々、また、後に続く青年たち、また、国を憂ふる年輩者がたにも絡かれることを期待しつつ、一言蕪辞をつらねて本書発刊に寄せる次第である。

【目次】

本書の刊行に寄せて―小田村寅二郎―
目次

昭和三十年代
 団体協力の生活をめざして(徳地康之)
 良識といふこと(柴田悌輔)
 体験と認識(西元寺紘毅)

昭和四十年代
 私の国家観(稲津利比古)
 『古事記』研究発表(今林賢郁)
 生の充実を求めて(片岡 健)
 大学生活をふりかへって思ふこと(磯貝保博)
 青年の思想(古川 修)
 私の生き方(亀井孝之)
 東大紛争の中にあって(石村僐悟)
 岡潔先生にお会ひして(小柳左門)
 夢から覚めよ(北島照明)
 高校教師はこれでいいのか(国武忠彦)
 学問のあるべき姿(合原俊光)
 聖徳太子の御言葉に接して(前田秀一郎)
 政体と国体(山内健生)
 天皇の大御心について(田中輝和)
 教育基本法成立過程に見受けられる問題点(志賀建一郎)
 祖国敬慕(岸本 弘)
 ドストエフスキイと小林秀雄(山口宗良)
 君が代問題について思ふこと(大岡 弘)

昭和五十年代
 今上陛下と日本復興(布瀬雅義)
 日本と大東亜戦争(東中野 修)
 私の國語観(占部賢志)
 外国紙と御製からみた昭和(小野吉宣)
 虚無詩人の一断面(青山直幸)
 国を守る心(三宅将之)
 学風改革の方途(原田 保)
 所懐(有馬 宏)
 生命に感覚する生活(小柳志乃夫)
 一企業人として思ふこと(奥冨修一)
 八月革命説批判(野間口行正)
 中学・高校の歴史教科書の問題点(坂口秀俊)
 “民主主義”再考(白浜 裕)
 現実生活を直視して生きる力を(沢部寿孫)
 平和教育に対する疑問(岩越豊雄)
 ソクラテスの警告(上村和男)
 日本人として忘れてはならないこと(坂東一男)

昭和六十年代
 小林秀雄先生の事(長澤一成)
 學間と人生(廣木 寧)

あとがき
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