続・戦後世代からの発言-真正なる日本人を目指して-: 国文研叢書 No.29

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【『続・戦後世代からの発言』の刊行に寄せて(一部)】

 本書は、本年(昭和六十二年)三月に、若い社会人の本会会員たちが既往に発表した文を編して、「国文研叢書No.28」として出版した『戦後世代からの発言―員正なる日本人を目指して―』の、「続編」ともいふべきもので、同じ表題に「続」の一字を冠して「同叢書No.29」として刊行するものである。
 前書は、昭和三十年代から昭和六十年代にかけて発表された“小論文”四十編を集録したのに対して、本書は昭和四十年代以降に発表された、いはば“少壮社会人としての社会生活から湧き出た体験談”を中心に、二十五編(内、女性執筆五編)を集録したものである。その内容はいづれも、両書に副題として添へた「―真正なる日本人を目指して―」の趣旨を体した若い人たちが、戦後日本の社会各層での生活を送る中で、時に記し、また時に語った、生きた“ことば”であることに変りはない。私のごとき老齢の者も、これら二十歳台、三十歳台の体験発表者・執筆者たちの真摯な生活姿勢には、全く頭が下がる思ひである。そしてこれらの文の行間に、わが日本の貴い歴史と博統とを自己の日常の生活の中に継承し実現しようとする意志が、力強く息づいてゐるのが感じられ、つくづく「日本は亡びず!!」との感を深くした。本書を、前書と合せて世に送る次第である。

 私ども国民文化研究会が毎年夏に営んできた「合宿教室」は、すでに三十二回を数へ、その参加者総数も今年で九、三〇〇名を越すこととなった。顧れば、ささやかな歩みではあったが、三分の一世紀も続いたのが有難く回想されるところである。同時にこの歩みは、常に“MAN TO MAN”の運動であったし、“一人の真正なる日本人出よ!!″の訴へでもあった。本書に集録された二十一編の男女の「体験発表」は、いづれも右の「合宿教室」でのものであり、全国六十前後の大学から集って来た三〇〇名前後の男女大学生たちに向って語られ、また、それらの大学生が耳を澄ませて聴き入ってゐたものであった。
 我々のいふ“MAN TO MAN 運動″とは、全心身を傾けて語るかうした内なる心の告白が、“誠心”となってあらはれ、それが聴く人の“誠心”に感応していくことを目指してゐるものである。本書はその客証の一つでもあると思ふ。
 私は本書の成るを見て、“真心が流露し合ひ交流し合ふ人間関係”――それは、記紀万葉時代からわが日本の国内に縦横に往き来してゐた人間関係であったはずだが、その美はしい人間関係を、これからの日本に再び甦へらせねばならない、と改めて強く思ったこと
である。


【目次】

『続・戦後世代からの発言』の刊行に寄せて―小田村寅二郎―
目次

第一編 社会生活の中で―「青年体験発表」から―
 合宿教室の中から見つけた私の生き方(昭和四十七年、奥冨修一)
 太平洋上で定めた私の生き方(昭和四十八年、小野吉宣)
 学生生活と社会生活をむすぶもの(昭和四十九年、久々宮章)
 私の社会人生活を支へてゐるもの(昭和五十一年、高岡正人)
 心を見つめることの大切さについて(昭和五十一年、太田さよ子)
 ありのままのこころで感じること(昭和五十二年、林田景子)
 心のつながりを求めて(昭和五十三年、小原民子)
 混乱した教育現場で感じたこと(昭和五十四年、坂口秀俊)
 いのちを見つめて(昭和五十四年、久米由美子)
 動乱の生(昭和五十四年、大町憲朗)
 心をはたらかせて(昭和五十五年、小原敏子)
 瀬上安正先生のこと(昭和五十五年、松田信一郎)
 教員生活における一つの体験(昭和五十六年、小林 至)
 臨床実習の中で思ったこと(昭和五十七年、笠 普一朗)
 新任校での体験から(昭和五十七年、竹下鉄郎)
 戦後の国語改革について(昭和五十八年、藤井 貢)
 桑原暁一先生のこと(昭和五十九年、絹田洋一)
 硫黄島で思ったこと(昭和五十九年、山根 清)
 母の手紙(昭和六十年、内海勝彦)
 ロンドン留学より帰りて(昭和六十年、山口秀範)
 心に残る言葉(昭和六十一年、西山八郎)

第二編 青年講義
 祖国と慰霊と―現代日本に失はれたもの―(昭和五十一年、志賀建一郎)
 詩と哲學の依復を―現代青年の課題として―(昭和五十八年、占部賢志)
 戦後を考へる―精神の自立のために―(昭和六十年、今林賢郁)
 学問の再生のために(昭和六十一年、長澤一成)

あとがき(青山直幸)
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